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盤共に非常に状態の良いでございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Billy White(G、後にDon Dokken、Billy White Trio、現在は牧師)、Doug Keyser(B)、Rick Colaluca(Ds)、
Jason McMaster(Vo、後にDangerous Toys)となります。
プロデュースはバンド自身。
1985年夏米国テキサス州サン・アントニオ”Ceder Creek Studios””Earth and Sky Studios”での制作となります。
1982年5月米国・テキサス州オースティンにてBilly White(G、後にDon Dokken)/Doug Keyser/Rick Colaluca/
Jason McMaster(Vo、後にDangerous Toys)という編成にて結成。
コンピレーションアルバムにデモ楽曲提供後一部のファンに注目を浴びるものの契約は得られず、自主レーベルを立ち上げ。
自主制作としてデビュー作制作に乗り出す、という経緯がございます......................
さて今作。
何せ自主制作。
安普請録音で音質の限界がございますが、それなりの録音機器を用いている事がミソ。
(かのMegadeth 1st”Killing is My Business...and Business is Good”の音造りに近いもの......
....これで当時”Megadeth”が何に制作予算を使い込んでいたか?が窺えるものでございますが.........)
加えてノイズ処理・音調整等々リマスター技術の向上により、音質が改善されている事がミソでございます。
音楽性は粗さがあるとは言えど、結構な完成度でございます。
後にかの”Dream Theater”に「病的」とも揶揄されておりますが、(次作程ではないにせよ)確かに「殆ど病気」な複雑怪奇感。
されどかなり計算されたもので理路整然としたものでございます。
創作に重要な役割を果たすギタリストがミソ。
名手Billy Whiteはハイテク系ではございますが(後にDon Dokken加入という事があり)案外真面な音楽性を有するという感。
御多分に漏れずかの”NWOBHM”の影響下ではございますが
(現代で言う)ハード/フュージョン系の影響や正統系メタル感のあるメロディ感覚を有する音楽性という事が有り、
意外なメジャー感が音楽性に備わっている事がミソ。
単なる複雑怪奇さではない理に適う音楽性が非常に興味深いものでございます。
また、ヴォーカルのJason McMasterが名手Rob Halford(Judas Priest)の影響が強いものの、
昔の名手Geddy Lee(Rush)のヴォーカル・スタイルを参考にしている感があり、音楽性含めそこも興味深い所でございます。
音楽性の根底に初期”Rush”(とりわけ大傑作”A Farewell to Kings”時代)の影響がある感がございます。
(”Cygnus X-1”に似た感のある展開の楽曲も...............)
かの”Dream Theater”が後に登場致しますが、現行の音楽性に繋がる音楽性がこの”Watchtower”でございます。
Dream Theaterのルーツ的存在として”Fates Warning”に注目が集まりますがこちらも大きな影響を与えている感がございます....................
(今バンドが残した音源が非常に限られたものではございますが)
自主制作とは言え1stの好評により”Progressive l”の旗手として注目を浴びる事となりますが、
1986年秋中心メンバーBilly Whiteが”Don Dokken”参加の為、脱退。
Jason McMasterもかのPanteraからのアプローチを受け脱退(加入には至らずかの”Dangerous Toys”を結成)。
Doug Keyserは名手故Cliff Burton死去後の”llica”後任候補となり、オーディション選考参加。
バンドは崩壊の危機に立たされます.............................
紆余曲折を経て、Ron Jarzombek/Alan Tecchioをスカウト。
その後ドイツのレーベル”Noise Records”と契約。
2nd「Control and Resistance」で再び非常に興味深い音楽性を有しシーンに本格的に登場するものの、
後任のヴォーカルAlan Tecchioが喉の不調から離脱。
またRon Jarzombekもハイテク・ギタリスト特有の問題から手に深刻な不調を訴え手術を受ける事となり、更に回復が長期化。
バンドは活動停止を余儀なくされる事となります............................
その後、それぞれ”Spastik Ink”等々の活動を経て活動を再開するも新作制作に行き詰まり、過去作1st再発・デモ録音作を制作。
再び沈黙。
”Spastik Ink”等の活動を経て新作制作に乗り出し、シングル作を手始めに発表。
再びJason McMaster/Alan Tecchioの間で交代が行われるも、2ndラインナップに定着し新作制作にようやく着手。
摺った揉んだの末、先行としてミニ・アルバムをようやくリリース。
複雑怪奇さは以前同様とは言えど非常に洗練されメジャー感ある音楽性や演奏・アンサンブルに非常な評判を呼ぶ事となりますが、
制作中にバンド内は新作の音楽性を巡り深刻な対立、というもの。
(後進たるDream Theaterの音楽性に近寄り過ぎている、という面が争点の感が..............................)
再びの活動休止に陥る事となります........................................
されど、新作に向けた録音物が多々存在。
音楽性の摺り合わせ等が鍵となりますが、埋め難い溝が存在している模様でございます.......................................
この”Watchtower”はテキサス州オースティン出身。
かの巨匠名手Eric Johnsonの出身地で活動拠点として知られますが...............................................................
かの”Sylvian /Fripp”、”Double Trio””Nuovo l”King Crimsonの音楽性の鍵を握った名手Trey Gunnの出身地としても知られます。
(Eric Johnsonの前座を務めた事もあり、Eric JohnsonはTrey Gunnとの共作を考慮に入れているとか..............)
またかの名手Mark Edwards(ex-Steeler~Lion)もこのテキサス州出身(かのHMバンド”Riot”も再活動の起点とした話も.........)。
保守といわれる米国南部とは言えど、非常に興味深い音楽性のミュージシャンが揃う地域ではございます.............................
この機会に是非。