古今妖魅考・3冊/平田篤胤/国学四大人の一人・本居宣長没後の門人となった・宣長の古道説を継承しそれを体系化し復古神道を唱えた

古今妖魅考・3冊/平田篤胤/国学四大人の一人・本居宣長没後の門人となった・宣長の古道説を継承しそれを体系化し復古神道を唱えた

商品説明
古今妖魅考・3冊/平田篤胤/国学四大人の一人・本居宣長没後の門人となった・宣長の古道説を継承しそれを体系化し復古神道を唱えた

古今妖魅考・3冊 天狗についての研究書と思われます。3冊で厚さ約3.3cm 年度不明 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

以下柳田国男が平田篤胤の妖魅考について触れた「幽冥談」より引用 

少しく偏狭な説かもしれぬが、僕は平田一派の神道学者それから徳川末期の神学者、これらの人の事業の中で一番大きいのはむしろ幽冥のことを研究にした点にあるだろうと思う。
それまでは神学者とか神官とかの秘説、口伝になって居ったために、自分の家の職を守らんがために秘して居ったから難有い多くの伝説が滅茶苦茶になってしまった。それをこの人たちが完全に具体せしめた。これは一の功績であろうと思う。
ことに平田などの幽冥論というものは理論というよりはむしろ精を出して感得したというような意味がある。すなわち日本の神道に関する昔からの伝説、書物をことごとく目を通して仕舞ってから更に自分の心の中から出したというような意見で、よほど面白い。 
これは僕が感じるばかりでなく、誰も同じと見えて、思いの外その点に関する信者がある、
ただ平田などという人は仏教に対する敵愾心があるために、天狗というものを自分らの議論すなわち、幽冥教の外部に置いてしまった。この点だけは僕はどうか知らんと思う。
それから本朝妖魅考（ようみこう）という、天狗ばかりのことを研究してある書物があるがそれを見ると天狗は坊主がなった、元来坊主は驕慢心が強いものである、我慢人を偲ぶの念が強いものであるから、当然その悪念が凝り固まって天狗になったと言って、種々の記録などを引いて証拠立てて居る。

なお当時の時代背景からすると、天狗は地域によって「山人」の異称であったと考えらる。以下柳田国男・「山人の研究」より引用 
私どもの知っている範囲においては、西は九州の南端から、東は奥羽まで、全国至る所として、山人に対する、多少の消息を聞かぬところはない。 ところによっては、それを山の神というところもあれば、あるいは山男、山女と言ったり、また、山童と言ったり、山姫と言ったり、山丈といい、山姥といい、あるいはまた、大人とも言っている。
けれども、その記事は微細な点まで符合している。なまじい学問のあるものは、これを神霊と言ったり、または天狗と言ったりしているけれども、中には宗教家のためにする説もあったり、それから迷信家の幻覚もあるであろう。しかし、少なくもその現象の一部分は、この山人の消息と見て差し支えない。


1776-1843
江戸後期の国学者。国学四大人 (うし) の一人
秋田藩士の子。本居宣長没後の門人となった。宣長の古道説を継承し，それを体系化し復古神道を唱えた。しだいに国学の学問的態度から離れ，神道的宗教的色彩が強く，実践的であった。幕末の尊王攘夷論者に大きな影響を与え，明治初頭の教学にも重要な役割を果たした。著書に『古史徴』『古道大意』など。
出典 旺文社日本史事典 三訂版

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